pben’s blog

独り社長の酒場トーク

展示会というものに憂いてみる

BtoBの展示会はオワコンなのかね。

今週は自分のシゴトに近い業界で2つ同じビッグサイト内東西それぞれのホールで大きな展示会があり。今週前半は東のBtoCのほうの末端商品、消費者もしくはその一歩川上がターゲットの美容向け商品に関する展示会で。取引先(うちのお客)が出展しているのですが、このコロナ禍関係なく昨年同様凄い来場者。もはやフェス。いやもう世界どこの祭りよりも今は盛り上がっているのでは?すらある。”キレイになりたい”欲望と市場はいつの世も興隆だ。日本の女性は美しい。

一方で、昨日から後半にかけて西のホールでは、うちにとってはモロ同業他社なんだったら出展ターゲットになる展示会で。こちらはBtoB、加工食品全般向け素材・原材料の展示会ですね。今までであれば参加して当たり前、来場して当たり前くらいの有名な大規模な展示会で、出展メーカーさんはもちろん出店してなくても同業界で頑張っている輩様たちの、生存確認 笑の場ですね。ほら、アポイントを構えて取るほどの関係性ではないけれど、こういった場で顔を合わせるとそれほそれで情報交換、深く交流など人間関係もアップデートできるわけで。業界は狭いのでワンチャン「pbenさんのその素材、僕の知り合いで興味ありそうだよ、出展してて今ブースいるだろうから、一緒に行きましょうか」みたいなのも無きにしも非ずだったりとか。
この展示会ですが、午後過ぎまで西の”フェス”にいて、その後足を運んだのですが驚きましたよ。東西ギャップとか抜きにしても、もうこれぞ閑古鳥。スカスカ、ガラガラ、シーン、、、です。どうしてこうなった?

コロナ禍前に、別の展示会になりますが、ウチの会社も創業2年目、3年目は小コマですが出展したんです。その後はコロナもあり見送ってますが。こちらも大きな展示会というのもあり、お陰様で半分は”フレンド” 笑ですが、非常に有意義で。BtoBの特に日本の展示会は基本的に”価値ある名刺集めの場”と思っています。また、例えば100社新規の名刺が集まって、1社1件新規顧・新規ビジネスに結びついたら、それは大成功と考えていています。

このテの展示会の出店コストは1コマ小間で代替35万円(看板と床セットで込み。壁面装飾費別途)。大手さんになるとx4-8コマ取って大きなブースになりますね。配置場所取りもとても大事で、いい場所は毎年出展している企業さんがもう1年前からつまり開催中に来年の場所を押さえます。オイラが出展したときは、基本新参枠なのででも場所は運良く(要はいい場所で左右出展企業さんが競合他社関係でその隙間、1コマ小間だけスペースが空いちゃってた)まあまあ良かったのでラッキーで、コンセプトとして”疎遠になっている取引先さんに来ていただく、商談の場とする”だったので、展示というより、商談スペースの場として考えていたのもあり、実際案内送付もそれを意識しました。結果、呼びすぎちゃって、超絶密かつ「おお!久しぶりっス、すみません後でまた来ていただけます?今来客中で 汗」とか”フレンズ”においては「オッス!悪ぃ、今商談中。あとで来てよ」とほったらかしになっちゃいましたけど 笑

同じく先日ヨーロッパはスイスで、同じ運営会社?の似た展示会が久しぶりに有人・規制なしで開催されたらしんですけれど、こちらは結構盛り上がったそうな。以前はよく足を運んでいた展示会だから(この期間だけジュネーヴのホテルの値段が3倍になるのはヤメテくれ・・・)様子は想像つくのですが、特にBtoBの展示会において、アッチと日本違うんですよね。
アッチは勿論新商品PRの場が目的なのですが、出展社は基本的に”社交の場”要は”商談の場”として割り切って開催されます。各社お金をかけて出店という名のカフェを突貫オープンする感じというか。なんだったら、テーブルに座るとエスプレッソとかワインとチーズもサーブされます 笑。欧州各国はさほど大きくないですが、一方で地理的につながっているとはいえ、日本特に東京など大都市ほど各社定期的に訪問、ご挨拶なんて普段せず基本メールと電話でビジネス、で1年に数回割とこういった展示会で顔を合わせる感じなんです。数か月前からお互いアポをスケジューリングして、話すアジェンダ(議題)も打ち合わせして決めておいて、「じゃあ、ジュネ―ブで商談の時に!」と。「ちなみに、その夜空いてれば一杯どう?」とかみたいな、ね。

日本のBtoBの展示会ってこれとは異なるじゃないですか。日本も広いし、人口も多いし、普段接触できていない未知の顧客もまだまだ潜在しています。なので、事前アポというより、まずは装飾・形で惹きつけたり、どちらかというと消極的能動式というか”どっか大きなお客さん足止めてくれたらいいなあ”って、担当者がスタンディングして、待つ感じ?というか。顔見知り同士、既知の間柄、来場者・出展者同士でも、ほらシャイでしょ。わびさび、慎ましくの文化ですから。その西の美容の展示会は特殊ですが(芸能人もいるし、顔黒超ワルオヤジもいっぱい 笑、うおってなるドレス・ファッションの女性も多いし、会場ないミュージックや装飾もド派手だし)、およそ日本のBtoBの場合、スイスのイベント感、祭り感はありません。

以前は3割ほどスペースを埋めていた海外からの出展者も今はいるわけもなく(とはいえ、加工食品向け添加物なんて海外はほぼ中国勢だけどね)、鎮静化した?とはいえまだまだコロナ影響も残り、というかコロナ前後で働き方も変わったじゃないですか。それらにプラスして、なんとなく皆さん心のどっかで言わずとも感じていたかもしれない”展示会って意味あるのかなあ”っていうものがいよいよ形になってきたのかもしれませんね。そんなことを想い、どうにもこうにもその場に滞在していること自体がなんかいたたまれなくなってきちゃいまして、そっと立ち去りましたよ。


来年は、pbenとウチの取締役で出てやろうか!?おいしいワインと素敵なチョコレートをご用意してお待ちしております。最終日にはお些末ながら近隣バーで来場お礼のパーティーも準備させていただいております、みたいな 笑